デイケアの実績を数値化する時代へ

デイケアの実績を数値化する時代へ

いま、デイケア施設や就労支援施設は需要が増し、そのあり方について改めて考える時期がきていると私は考えています。今後は、患者の状況といった施設の実績を数値化することが大切であり、利用者はその実績を見ながら治療施設を選択できるようにすることが望まれると考えています。

減る入院患者、増える外来患者

精神病院の入院患者の減少と国の精神病床削減方針の具体化により、入院病棟のダウンサイジングと自然淘汰は一層進行していくと考えられています。一方で気分障害の増加に伴い、精神科外来を受診する患者は確実に増え続けています。それに伴い、デイケアや就労支援移行事業所などの福祉事業の必要性は上がっています。

数値化された実績を見て利用者が選択

リワークに特化し復職支援を行っているデイケア、発達障害に特化したデイケアなど、さまざまな取り組みも行われてきています。今後は精神科外来・デイケア施設では、患者の状況を数値化して、医師とコメデイカル(薬剤師・看護師・作業療法士等)が共同で病状を把握し薬剤減量など治療の最適化を図り、デイケア全体の実績も数値化することが大切であると考えています。その実績を見ながら利用者が治療施設を選択できるようにするのが望まれます。

依頼を受け、医学専門誌に寄稿

今回、入院病棟を閉鎖することは大変難しいと考えられていたなかでこれを実地し、精神障害者福祉ホームと精神科デイケアを開設した経験から、「精神科デイケアの今後のあり方」と題して医学専門誌に寄稿。デイケアと就労支援施設などの福祉事業との違いについて、今後の精神科外来治療に求められる要因に関して考察しました。

新年のご挨拶

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
皆さまにおかれましては、穏やかに新年を迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は、多くのご指導、ご支援を頂き、誠に有難うございました。

2019年は1月5日(土)より診療いたします。

本年も、「かかりやすく、わかりやすい診療」を提供できるよう、地域の皆様、患者様のニーズに答え、寄り添い、サポートするクリニックを目指し、医師・スタッフ一同、一丸となって日々努力していく所存でございます。

皆さまにとりまして幸多い年になることを心から祈念して、新年の挨拶と致します。本年もご支援とご協力をお願い申し上げます。

市ヶ谷ひもろぎクリニック一同

うつと不安をセルフチェックするアプリ「アン-サポ」について講演

うつと不安をセルフチェックするアプリ「アン-サポ」について講演

「アン-サポ」(※1)、うつ病治療をサポートする無料のウェブサービス。目に見えない、分かりにくいうつ病を定量化することで可視化し、ご自身の治療経過の正確性を高めることを目指して構想、開発したアプリです。おかげさまでユーザーさまからも好評をいただいています。アン-サポはiOS版はiTunes App Sroreから、android版はPlayストアからダウンロードできます。ぜひご利用ください。

※1 Yoshinori Watanabe, Yoko Hirano, Yuko Asami, Maki Okada & Kazuya Fujita (2017): A unique database for gathering data from a mobile app and medical prescription software: a useful data source to collect and analyse patient-reported outcomes of depression and anxiety symptoms, International Journal of Psychiatry in Clinical Practice, DOI: 10.1080/13651501.2017.1315139

シンプルな操作性と充実の機能

アン-サポの主な機能は、セルフチェック、お薬手帳、日々の記録(グラフ)の3つです。アン-サポを開発するうえで重視したのは、シンプルな使いやすさと充実した機能。アン-サポは長期間使うことでより効果を発揮します。そのため、長期間使用してもらえるよう、煩わしさをできるだけなくしたシンプルな操作性を追求。そのうえで充実した機能を備えました。

うつと不安の度合いを数値化して可視化

アン-サポの大きな特徴は、HSDS(ひもろぎ式うつ尺度)(※2)とHASA(ひもろぎ式不安尺度)(※3)を使用することで、うつ症状と不安症状を数値化。さらにその数値をグラフ化することで、現在の状況や治療効果などを可視化したことです。これにより、セルフチェックが容易となり、ユーザーの患者さまからも好評をいただいています。

※2 Mimura C,

うつ病とリウマチは相互に深く関係していることを改めて学ぶ

うつ病とリウマチは相互に深く関係していることを改めて学ぶ

リウマチの患者さまはその痛みにより、多くがうつ症状を抱えており、重症になると、大うつ病性障害と診断される方もいます。今回、講演をお願いした東京女子医科大学の山中寿先生は、リウマチの患者さまのうつ症状を改善したら、リウマチ自体も良くなるだろうとお話しされました。リウマチの痛みが原因で気分が落ち込む、やる気がでないなど、うつ症状の合併を疑われる方は、ぜひ一度ご相談ください。

リウマチとうつ病、ストレス障害には深い関係がある

リウマチの合併症としてうつ状態になる患者さまは多く、リウマチが重症になるほど大うつ病性障害と診断される方も増えます。軽いうつ症状なら、リウマチを治療するだけでよくなるそうですが、大うつ病性障害と診断されてしまった患者さまには、リウマチの治療と並行して、精神科での治療が必要となります。また、スウェーデンの行われた大規模な研究では、ストレスに関連した精神疾患(外傷後ストレス障害[PTSD]、急性ストレス反応、適応障害、およびその他のストレス障害)と診断された人は、後に自己免疫疾患と診断されるリスクが高いことが報告されています。

Song H, et al. JAMA. 2018;319:2388-2400.

うつ症状の合併を疑われる方は相談を

ただ、患者さまのなかには、主治医にうつ症状を訴えることのできない方もいると聞きます。というのも、疾患そのものを見るリウマチ科の先生に、専門外のうつの症状を訴えにくいと考えてしまうそうなのです。だからこそ、身体科と精神科が手を組み、患者さまを診ることが重要であると私は考えています。

自己免疫疾患の代表的な病気、リウマチを学ぶ

今回リウマチについて学んだのは、2018年12月6日、市ヶ谷ひもろぎクリニック隣のオトナリASUKARAビルにて、私が座長を務め、東京女子医科大学医学部リウマチ内科学講座教授・講座主任の山中寿先生を演者に迎えた講演会です。演題は「自己免疫疾患の治療戦略の変化~精神疾患(ストレス)と自己免疫疾患の関係~」。精神とは関係がないと思われていた身体科の患者さまも、実は精神科と深く関係していることを再確認できた講演会でした。

個別プログラムで復職を支援!2018年12月29日デイケア説明会開催

個別プログラムで復職を支援!2018年12月29日デイケア説明会開催

オーダーメイドでプログラムを作成します

市ヶ谷ひもろぎクリニックでは、うつ病や双極性障害などの気分障害で休職中の方、あるいは退職された方を対象に、再燃・再発を予防して職場復帰・再就職するためのリワーク(=復職支援)デイケアを実施しています。ご本人さまの意思を尊重しつつ、お一人お一人の状況に合わせてオーダーメイドでプログラムを作成するので、ご自分のペースで職場復帰・再就職を目指していただけます。

興味のある方はぜひご参加ください

リワークデイケアについての説明会を以下の日程で開催いたします。みなさまのご参加をお待ちしています。

・12月29日(土)16時~
※所要時間は30分程度となります。

●説明会に参加をご希望の方は、お電話(03-5946-8585)にてお申込みください。
●当日は、市ヶ谷ひもろぎクリニック2階までお越しください。

シューイチでパニック障害の説明をする

パニック障害についてテレビで詳しく説明させていただきました

土曜日の朝、「パニック障害」についてテレビの取材がありました。内容は①パニック障害の症状、②パニック障害の原因、③パニック障害になりやすい人、などについてお話しする機会をいただきました。ご存知のように最近、ニュースで飛び交っている話題のようで、正しく病識を持っていただく良い機会と捉え、なるべくわかりやすく説明させていただきました。

放送では薬物療法についてはふれていませんでした。こちらについて、以下のリンクをご参照ください。少しでも思い当たりましたら、受診されることをおすすめ致します。

パニック障害の症状は?

パニック障害を一概に語るのは難しいですが、下記のような症状が突然あらわれ、その発作の不安が予期不安として認識され、だんだんやれる事が少なくなると思っていただいて良いと思います。

  1. 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
  2. 発汗
  3. 身震いまたは震え
  4. 息切れ感または息苦しさ
  5. 窒息感
  6. 胸痛または胸部の不快感
  7. 嘔気まはた腹部の不快感
  8. めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、まはた気が遠くなる感じ
  9. 寒気または熱感
  10. 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
  11. 現実感消失(現実でない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
  12. 抑制力を失うまたは”どうかなってしまう”ことに対する恐怖
  13. 死ぬことに対する恐怖

パニック障害の原因は?

ストレスを感じ体調不良が重なった時に、初めての発作が出やすいです。ストレスだけではなる可能性は少ないです。ストレスを回避する体力と余力があれば、起きないと考えています。やはりストレスと体調不良が重なり、それが続いていくと発作を起こしやすいと思います。

パニック障害になりやすい人は?

真面目に仕事をしてストレスをためている人が発症する可能性は高いと思います。仕事をずっと遅くまで行っていて、睡眠不足に陥り、それが続くとやはり発作を起こしやすいと思います。治療としてはまずは食生活をしっかりして、運動をしていなければしてみる、そして睡眠を十二分にとる、こういった規則正しい生活をすると予防にもなるし治療にもなると思います。

理事長・医師 渡部芳徳

うつと不安の度合いを数値で表し、症状評価を行っています

うつと不安の度合いを数値で表し、症状評価を行っています

うつ症状と不安症状の評価スケールでより正確な診断を可能に

先日参加した第28回日本臨床精神神経薬理学会・第48回日本神経精神薬理学会の合同年会で行われた公開ディスカッションでは、Zimmerman先生からさまざまな興味深いお話しを聞くことができました。そのひとつが、「アメリカの精神科医の約80%が症状評価をしていない」というものです。

驚いたことに、当日会場でも「患者の症状評価をしていますか?」という質問に対して、約200人いた聴講者のうち、手を上げたのは私を含めて2~3人しかいませんでした。

市ヶ谷ひもろぎクリニックでは、HSDS/HSASという、うつ症状と不安症状の評価スケールを使用し、症状評価をしています。それにより、より正確な診断と治療が可能となっているといえます。

世界的に認められた、オリジナルの評価スケールが好評

Zimmerman先生いわく、アメリカの精神科医の約80%は評価スケール等を使った症状評価は行わず、医師の臨床経験に基づく感覚や勘を頼りに治療を行っている。さらに、評価スケールを使っていないので、どのような経過をたどって症状が良くなった、悪くなったということをカルテに残していないというのです。

もちろん、医師の経験値や感覚、勘はとても重要です。しかし、それだけで正確な診断や治療が行えるのかは少々疑問です。驚いたことに、当日会場でも「一人ひとり患者さんの症状評価をしていますか?」という質問に対して、約200人いた聴講者のうち、手を上げたのは私を含めて2~3人しかいませんでした。

市ヶ谷ひもろぎクリニックでは、私が開発したHSDS/HSASという、うつ症状と不安症状の評価スケールを診察時に使用しています。これは、うつと不安の度合いが数値で表されるため、自分がどのように回復に向かっているのかがよくわかると、患者さまにも大変好評をいただいています。

HSDSとHSASの信頼性と妥当性については、2011年に欧米の学術雑誌に公開されるなど、世界的に認められています。ご自身の症状評価が気になる方、HSDS/HSASに興味のある方は、お問い合わせください。

(※1、※2はHSDSとHSASの出典)
※1 Chizu Mimura, Mariko Murashige, Toshihiko Oda, Yoshinori Watanabe. Development and Psychometric Evaluation of a Japanese Scale to Assess Depression Severity: Himorogi Selfrating Depression Scale. International Journal of Psychiatry in Clinical Practice.

パニック障害の抗不安薬の服用について渡部医師が回答。『精神科臨床144のQ&A』

パニック障害の抗不安薬服用について渡部医師が学術雑誌にて解説

パニック障害の治療法や薬剤の減量法を具体的に解説

<精神科治療学>第33巻増刊号『精神科臨床144のQ&A』(星和書店)の中で、「パニック障害の患者さんが予期不安が強いため抗不安薬を指示よりも多く服用しています。どのように対応すれば良いでしょうか?」という問いに対して、2ページにわたり渡部芳徳先生が執筆し解説しています。掲載箇所はP110~111となります。パニック障害の症状である予期不安に対して、過剰に抗不安薬を要求する患者さんの特徴として、経験的に双極性障害が併存していることが多いと考えた渡部先生が、その治療法や薬剤を減量する方法について具体的な症例をあげて解説しています。

患者様の快復のために、外来診療での経験や研究結果をこのような形で社会へ発信し、更なる治療のレベルアップに向かって日々努力を重ねています。