カウンセリングがうつ病治療には重要と再確認できた講演会でした

カウンセリングがうつ病治療には重要と再確認できた講演会でした

カウンセリングはうつ病治療に不可欠

第28回日本臨床精神神経薬理学会・第48回日本神経精神薬理学会の合同年会で行われたシンポジウムは、うつ病治療におけるカウンセリングの重要性を再確認することができた、貴重な機会となりました。

カウンセリングだけで症状が改善する場合もある

公開ディスカッションでZimmerman先生は「患者さん一人ひとりをよく見ることが大切」とお話しされました。うつ病と診断した患者さまに対し、一様に抗うつ薬を処方してはいけない、というのです。

私も確かにその通りだと思っています。例えば、友人や上司との対人関係など、原因がはっきりしているうつ病患者さまには、抗うつ薬よりもカウンセリングが必要です。場合によっては、カウンセリングだけで症状がよくなる場合も少なくありません。この場合、もし抗うつ薬を処方していれば、それば過剰だったことになります。しかし、発症の原因がはっきりせず、病歴が長いような患者さまには、やはり抗うつ薬が必要です。

つまり、大切なのは、患者さま一人ひとりにあった治療法を適切に提供することであり、抗うつ薬による薬物療法同様、カウンセリングも重要な治療法のひとつであるということです。

医師・渡部芳徳