デイケアの実績を数値化する時代へ

デイケアの実績を数値化する時代へ

いま、デイケア施設や就労支援施設は需要が増し、そのあり方について改めて考える時期がきていると私は考えています。今後は、患者の状況といった施設の実績を数値化することが大切であり、利用者はその実績を見ながら治療施設を選択できるようにすることが望まれると考えています。

減る入院患者、増える外来患者

精神病院の入院患者の減少と国の精神病床削減方針の具体化により、入院病棟のダウンサイジングと自然淘汰は一層進行していくと考えられています。一方で気分障害の増加に伴い、精神科外来を受診する患者は確実に増え続けています。それに伴い、デイケアや就労支援移行事業所などの福祉事業の必要性は上がっています。

数値化された実績を見て利用者が選択

リワークに特化し復職支援を行っているデイケア、発達障害に特化したデイケアなど、さまざまな取り組みも行われてきています。今後は精神科外来・デイケア施設では、患者の状況を数値化して、医師とコメデイカル(薬剤師・看護師・作業療法士等)が共同で病状を把握し薬剤減量など治療の最適化を図り、デイケア全体の実績も数値化することが大切であると考えています。その実績を見ながら利用者が治療施設を選択できるようにするのが望まれます。

依頼を受け、医学専門誌に寄稿

今回、入院病棟を閉鎖することは大変難しいと考えられていたなかでこれを実地し、精神障害者福祉ホームと精神科デイケアを開設した経験から、「精神科デイケアの今後のあり方」と題して医学専門誌に寄稿。デイケアと就労支援施設などの福祉事業との違いについて、今後の精神科外来治療に求められる要因に関して考察しました。