うつと不安をセルフチェックするアプリ「アン-サポ」について講演

うつと不安をセルフチェックするアプリ「アン-サポ」について講演

「アン-サポ」(※1)、うつ病治療をサポートする無料のウェブサービス。目に見えない、分かりにくいうつ病を定量化することで可視化し、ご自身の治療経過の正確性を高めることを目指して構想、開発したアプリです。おかげさまでユーザーさまからも好評をいただいています。アン-サポはiOS版はiTunes App Sroreから、android版はPlayストアからダウンロードできます。ぜひご利用ください。

※1 Yoshinori Watanabe, Yoko Hirano, Yuko Asami, Maki Okada & Kazuya Fujita (2017): A unique database for gathering data from a mobile app and medical prescription software: a useful data source to collect and analyse patient-reported outcomes of depression and anxiety symptoms, International Journal of Psychiatry in Clinical Practice, DOI: 10.1080/13651501.2017.1315139

シンプルな操作性と充実の機能

アン-サポの主な機能は、セルフチェック、お薬手帳、日々の記録(グラフ)の3つです。アン-サポを開発するうえで重視したのは、シンプルな使いやすさと充実した機能。アン-サポは長期間使うことでより効果を発揮します。そのため、長期間使用してもらえるよう、煩わしさをできるだけなくしたシンプルな操作性を追求。そのうえで充実した機能を備えました。

うつと不安の度合いを数値化して可視化

アン-サポの大きな特徴は、HSDS(ひもろぎ式うつ尺度)(※2)とHASA(ひもろぎ式不安尺度)(※3)を使用することで、うつ症状と不安症状を数値化。さらにその数値をグラフ化することで、現在の状況や治療効果などを可視化したことです。これにより、セルフチェックが容易となり、ユーザーの患者さまからも好評をいただいています。

※2 Mimura C, Murashige M, Oda T, Watanabe Y. 2011. Development and psychometric evaluation of a Japanese scale to assess depression severity: Himorogi Self-Rating Depression Scale. Int J Psychiatry Clin Pract 15(1):50-5.
※3 Mimura C, Nishioka M, Sato N, Hasegawa R, Horikoshi R, Watanabe Y. 2011. A Japanese scale to assess anxiety severity: development and psychometric evaluation. Int J Psychiatry Med 41(1):29-45.

医療とデジタルの未来を考える

2018年12月26日、デジタルハリウッド大学院駿河台キャンパスにて第2回デジタルヘルス学会学術集会が開催され、「スマホアプリによる気分障害治療の最適化」と題し、アン-サポについて講演いたしました。本集会では、慶応義塾大学の岸本先生など、素晴らしい方々が医療とデジタルの未来について講演をされ、大いに感銘を受けました。

これからの医療にAIの活用やハイテクは不可欠

特に精神科では、人の心を相手とするため、対面することが何よりも大切とされています。それゆえ、精神科にハイテク医療は本当に必要なのか、という議論が一部にはあります。確かに、対面する医療は重要です。しかし、より正確に診断を行い、治療を進めていくためのツールとして、これからはAIの活用、ハイテクな機器の活用も不可欠であると考えています。AIやハイテクを駆使することで、患者さまにとってよりよい医療を提供できるのであれば、積極的に取り入れ、医療の形を変えていく必要があると考えています。