共著論文「精神科デイケアの今後のあり方」が『臨床精神医学』に掲載されました

共著論文「精神科デイケアの今後のあり方」が『臨床精神医学』に掲載されました

大変難しいとされていた入院病棟の閉鎖を実行し、その受け皿として自立を支援する精神障害者福祉ホームと精神科デイケアを開設した経験をもとに、「精神科デイケアの今後のあり方」と題した日本語論文を、私、渡部芳徳と本郷誠司先生、市来真彦先生が共著で執筆。この度、『臨床精神医学』Vol.48 No.2 February 2019に掲載されました。

入院病棟を閉鎖。外来中心の医療へ

ひもろぎグループの原点は、福島県白河市の南湖病院です。南湖病院は、1966年に開設されたベッド数126床の小規模単科精神科病院でした。しかし、日本の精神科医療は長期入院治療中心から外来中心の医療への大きな転換期を迎えていることを受け、約15年前、当時は大変難しいとされていた入院病棟の閉鎖を実行し、外来中心の医療に転換。加えて、その受け皿として自立を支援する精神障害者福祉ホームと精神科デイケアを開設しました。

デイケアの今後のあり方について問題提起

今回、これまでの貴重な経験をもとにして、本郷誠司先生、市来真彦先生(東京医科大学病院メンタルヘルス科)と共著で論文を執筆。『臨床精神医学』Vol.48 No.2 February 2019に掲載されました。

南湖でのさまざまな経験を生かし、市ヶ谷ひもろぎクリニックでは精神科デイケア(リワークデイケア)を実施していますが、当クリニックのような医療機関が実施するデイケアと、近年増加している就労移行支援事業所とを比較することで、現状に対する問題を提起。今後は利用者が治療効果の実績を見ながら施設を選択できることが望まれ、そのためには医療機関がしっかりとした治療エビデンスを示すことが重要であり、精神科医療全体の発展のためにも欠かせないと考察しています。

当クリニックでは、日頃から大学病院や他院との共同研究や地域連携を積極的に行い、外来治療とリワークデイケアの治療効果の向上に努めています。