最近アルコール多くない?不安障害かもよ

アルコールの量が多い方、もしかしたら不安障害かも?

「最近、アルコール量が増えたな」と感じていませんか。実は、社交不安障害(あがり章)やパニック障害といった不安障害からくる不安や恐怖から逃げるためにアルコールを利用し、量が増えている場合があるのです。このような場合、不安障害であることを自覚していないこともあるので、注意が必要です。

社交不安障害やパニック障害が増えている

日々診察を行っているなかで、「最近増えてきたな」と感じるのが不安障害の患者様です。不安障害には、いわゆる「あがり症」と呼ばれる社交不安障害や、パニック障害などがありますが、総じて増えている印象があります。

アルコール量が増えた原因が不安障害?

「最近、アルコール量が増えたな」と感じていませんか。実は、不安障害と関係が深く注意が必要なのがアルコールです。不安障害からくる不安や恐怖から逃げるためにアルコールを利用し、量が増えている場合があるからです。また、なかには不安や恐怖に加えて、時間を持て余していることで、昼夜関係なくアルコールを飲むようになり、気づいたら量が増えていたという方もいるようです。まずは外来を受診し、アルコール量の増加の裏に不安障害が潜んでいないか、診断することが重要です。

認知行動療法は「心のクセ」を直すプログラム

不安障害にはSSRIという特効薬があります。しかし、薬を飲めば完治するのかというと、そう簡単なものではありません。不安障害の薬はとても効果的ですが、これは症状を抑えるためのもの。薬を止めてしまえば、症状はまたあらわれます。つまり、根本的な治療を行わなければ完治には至らないのです。

不安障害の根本的な治療とは、原因を断つことです。そこで有効なのが、精神科デイケア等で行う「認知行動療法」です。認知行動療法は「心のクセ」を直していくプログラム。自身の不安に対する心理状態を理解し、回避行動を克服するためには、どんな行動が必要なのかを学習することで、徐々に「心のクセ」という原因を直していくわけです。

アルコールの量が増えてきたことを見過ごしてはいけません。不安障害という心の病が根本にある場合があることを、覚えておいてほしいと思います。