うつ病とリウマチは相互に深く関係していることを改めて学ぶ

うつ病とリウマチは相互に深く関係していることを改めて学ぶ

リウマチの患者さまはその痛みにより、多くがうつ症状を抱えており、重症になると、大うつ病性障害と診断される方もいます。今回、講演をお願いした東京女子医科大学の山中寿先生は、リウマチの患者さまのうつ症状を改善したら、リウマチ自体も良くなるだろうとお話しされました。リウマチの痛みが原因で気分が落ち込む、やる気がでないなど、うつ症状の合併を疑われる方は、ぜひ一度ご相談ください。

リウマチとうつ病、ストレス障害には深い関係がある

リウマチの合併症としてうつ状態になる患者さまは多く、リウマチが重症になるほど大うつ病性障害と診断される方も増えます。軽いうつ症状なら、リウマチを治療するだけでよくなるそうですが、大うつ病性障害と診断されてしまった患者さまには、リウマチの治療と並行して、精神科での治療が必要となります。また、スウェーデンの行われた大規模な研究では、ストレスに関連した精神疾患(外傷後ストレス障害[PTSD]、急性ストレス反応、適応障害、およびその他のストレス障害)と診断された人は、後に自己免疫疾患と診断されるリスクが高いことが報告されています。

Song H, et al. JAMA. 2018;319:2388-2400.

うつ症状の合併を疑われる方は相談を

ただ、患者さまのなかには、主治医にうつ症状を訴えることのできない方もいると聞きます。というのも、疾患そのものを見るリウマチ科の先生に、専門外のうつの症状を訴えにくいと考えてしまうそうなのです。だからこそ、身体科と精神科が手を組み、患者さまを診ることが重要であると私は考えています。

自己免疫疾患の代表的な病気、リウマチを学ぶ

今回リウマチについて学んだのは、2018年12月6日、市ヶ谷ひもろぎクリニック隣のオトナリASUKARAビルにて、私が座長を務め、東京女子医科大学医学部リウマチ内科学講座教授・講座主任の山中寿先生を演者に迎えた講演会です。演題は「自己免疫疾患の治療戦略の変化~精神疾患(ストレス)と自己免疫疾患の関係~」。精神とは関係がないと思われていた身体科の患者さまも、実は精神科と深く関係していることを再確認できた講演会でした。