うつ病治療の新薬についての論文が、医学雑誌に掲載されました

渡部芳徳先生が執筆した、うつ病治療の第一選択薬に適しているのではないかと期待される新薬についての論文が、医学雑誌『臨床精神薬理』に掲載されました。

完全回復を見据えた治療に適した新薬として期待

市ヶ谷ひもろぎクリニックの渡部芳徳先生の論文が、医学雑誌『臨床精神薬理』Vol.23,No.11.2020「特集 新規抗うつ薬Vortioxetine」に掲載されました。

昨年発売された新薬Vortioxetineは、セロトニン再取り込み阻害作用ならびにセロトニン受容体調節作用といった複数の薬理作用を併せ持ち、国内で承認を取得した初めてかつ唯一の製剤と考えられており、日本のうつ病患者さんに新たな治療選択肢をもたらすことが期待されています。

この論文では、Vortioxetineの治験計画並びに結果を報告し、使用経験例を示しながら、この薬剤への期待を考察しています。従来と異なる薬理学的効果に加え、臨床試験で示された有効性と安全性の観点から、うつ病治療の第一選択薬として適していると考えられ、認知機能の改善効果からは、完全回復を見据えた治療に適しており、現時点でモノアミン仮説の中で効果と副作用のバランスが良い適切な薬剤であると考えられると述べています。

※モノアミン仮説とは、うつ状態はセロトニンやノルアドレナリン等のモノアミン神経伝達物質の低下によって起こるとした仮説です。今日、処方されている抗うつ薬のほとんどが、このモノアミン仮説に基づいて作られています。