大人のADHDに対する鍼治療に関する論文が大学雑誌に掲載されました

市ヶ谷ひもろぎクリニックの渡部芳徳医師と東京有明医療大学が共同研究を進めている、大人のADHDに伴ううつ状態に対する鍼治療に関する共著論文が、東京有明医療大学雑誌に掲載されました。

鍼治療でQOLが向上し、精神的・身体的愁訴が軽減

市ヶ谷ひもろぎクリニックでは、うつ状態に対する鍼治療について、東京有明医療大学大学院保健医療学研究科保健医療学専攻鍼灸学分野、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科の先生と共同研究を行っており、これまでもさまざまな共著論文を発表しています。

今回、「成人期注意欠陥・多動性障害に伴ううつ状態に対する鍼治療の1症例」と題した共著論文が、東京有明医療大学雑誌Vol.11:23-26.2019に掲載されました。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は小児だけでなく、50%以上で大人になっても何らかの症状が残り、そのうち35%はADHDの診断基準を満たすとも言われています。大人になり、始めてADHDの症状を自覚し顕著化するケースもあり、社会的役割の増加や自主計画性が求められる環境変化を背景として、二次的に抑うつ症状を合併して、日常生活や就業に大きな支障をきたすこともあるのです。

薬物療法のみで十分な改善が得られなかった大人のADHDで持続的なうつ状態と多くの身体症状を訴えた方に鍼治療を行ったところ、QOL(生活の質)が向上し、精神的・身体的愁訴が軽減して、良好な経過が得られたのです。今回は、この症例を共著論文としてまとめ、掲載されました。

※現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、鍼治療の共同研究は中断しております