精神領域における鍼治療の臨床効果について研究をはじめました

市ヶ谷ひもろぎクリニックでは現在、「大うつ病性障害および双極性障害うつ状態に対する鍼治療の臨床効果―症例集積による探索的研究―」を、東京有明医療大学と共同研究しております。

うつ病に対する主な治療法は薬物療法ですが、有効率や副作用、長期的な服薬が必要なことなどから、薬物療法を補完・代替できる非薬物療法の確立が求められています。そのひとつとして注目したのが、鍼治療です。

しかし、鍼治療のうつ病に対する有効性は以前よりいわれているにもかかわらず、信頼性の高い研究が少なく、その有効性は限定的なものとされていました。

そこで我々は、大規模で質の高い臨床研究を行い、鍼治療の有効性を科学的に明らかにすることにしたのです。

まず、日本を代表する鍼灸研究家のお一人である坂井友実先生(東京有明医療大学大学院保健医療学研究科長・教授)を中心に、研究チームを結成。抹消の刺激が中枢に作用して身体症状の改善、うつ症状・不安症状の改善につながる可能性について研究しています。また、良導絡による皮膚電動を指標として鍼の効果を数値化。最終的には、鍼による気分障害へのアプローチは、その効果をHSDS/HSASで明らかにすることができるでしょう。

まだ研究段階ですが、すでに鍼治療を行っている患者さまもおり、徐々に効果を表しております。興味のある方は、診察の際に医師にご相談ください。