【本郷医師】がMSPA講習会に参加しました!

平成29年2月25日・26日、京都でMSPA講習会に参加してきました。小生(医師・本郷誠司)と臨床心理士2名で行って来ました。

MSPA(エムスパ、と読みます)とは、Multi-Dimensional Scale for Pervasive Developmental Disorder & Attention-Deficit/Hyperactivity Disorderの頭文字を集めたものです。広汎性発達障害(PDD;Pervasive developmental disorder)(最近では自閉症スペクトラム障害とも言います)と注意欠如多動性障害(AD/HD:attention-deficit/hyperactivity disorder)は、ともに発達障害の代表として知られています。前者は、発達のいくつかの面における重症で広範な障害によって特徴づけられる相互的な対人関係技能,コミュニケーション能力,または常同的な行動,興味,活動の存在とされ、後者は、多動、不注意、衝動性によって特徴付けられています。これらの診断基準には重複は見られないのですが、実際の臨床現場では、これらPDDとAD/HDはしばしば同様の症候を共有している事が知られており、更にいずれも感覚、睡眠、学習などの問題を抱えていることが多い、というのも多くの臨床家の意見でした。

このように、症候の合併や重複が一般的な上に個人差も大きいので、その診断自体は個々の特徴や必要なサポートを十分に示しているわけでは無かったのです。つまり、診断がついてもその後の適切なサポートが得られるのが困難でした。このような状況を解決するために、京都大学の先生方を中心に新しい評価尺度として、MSPAが考案されました。そのMSPAを使いこなす為の講習会でしたが、とても実戦的で、勉強になりました。臨床では、就学後の子供さんらの発達障害等の相談に乗ることがあり、医療的な介入や教育現場との協働なども行っています。そのような子供さんらへの一助となることを願ってやみません。